スポーツに関わる仕事は、クラブの中だけじゃない。グッズとガチャで、ファンの楽しみをつくる
「スポーツに関わる仕事がしたい」と思ったとき、最初に思い浮かぶのは選手やコーチ、あるいはクラブの職員あたりでしょうか。試合を運営するスタッフを思い浮かべる人もいると思います。
ただ、ひとつの試合が成り立つまでには、もっとたくさんの仕事が関わっています。私たちCapsule Hubがやっているのも、そのうちのひとつです。クラブの担当者と一緒に、ファンに向けたグッズやガチャを企画し、形にして、売場に並べるところまでを担当しています。JリーグのFC東京やヴィッセル神戸、Bリーグのレバンガ北海道や大阪エヴェッサ。私たちは、こうしたクラブと一緒に仕事をしています。
ひとつはっきりさせておくと、私たちはクラブに雇われているわけではありません。Capsule Hubという会社の一員として、クラブと向き合って仕事をしています。クラブの中に入るのとは少し違う関わり方で、同じ競技に複数のクラブと関われるのは、この立場ならではだと思います。
この記事では、その仕事が具体的に何をしているのかを書きます。

Jリーグ・Bリーグに関わる仕事は、クラブの外にもある
サッカーに関わる仕事、バスケに関わる仕事と検索したとき、出てくるのはクラブの求人が中心だと思います。でも実際には、クラブの外側からスタジアムやアリーナに関わっている会社がたくさんあります。
飲食、警備、映像、チケット、ファンクラブの運営。グッズもそのひとつです。クラブが自社ですべてを抱えることは少なく、得意な領域を持つ会社が分担しています。私たちはそのなかで、グッズとガチャ、そしてそれを売るための筐体やキャッシュレス決済を担当しています。
つまり「クラブ職員になれなければスポーツに関われない」ということはありません。関わり方の選択肢は、もう少し広いところにあります。
グッズ企画の仕事は、「誰に、どの場面で」から始まる
グッズ企画と聞くと、デザインを考える仕事だと思われがちですが、実際にはその手前から始まります。
まず考えるのは、誰に向けたものかということです。毎試合来ている人なのか、年に数回の人なのか、子どもと一緒に来た家族なのか。そして、それをどの場面で手に取るのか。試合前の時間つぶしなのか、勝った後の記念なのか、遠征先で地元に持ち帰るものなのか。ここが決まらないと、何を作っても狙いが定まりません。
そのうえで、クラブの担当者に提案します。クラブには守りたい世界観や、過去に出した商品との兼ね合いがあります。選手の肖像をどう扱うか、ロゴの使い方はどうかといった確認も必要です。話をしながら、企画を具体的な仕様に落としていきます。
そこから先は、かなり地道な作業です。素材は何にするか、サイズはどうするか。工場とやり取りして見積もりを取り、サンプルを作ってもらい、現物を見て色味や質感を確認する。原価と販売価格のバランスを考え、試合日までに間に合う納期を逆算する。数量を決め、梱包や納品の段取りを組む。
華やかな仕事かと言われると、半分はそうで、半分は違います。でも、この地味な部分を詰めきれるかどうかで、最後に出てくるものの良し悪しが決まります。

ガチャは、商品だけでなく「回す時間」を設計する
私たちの場合、グッズをガチャで売ることがよくあります。ここが、ふつうの物販とは少し違うところです。
ガチャには、商品そのものとは別に、回してから出てくるまでの短い時間があります。何が出るか分からないまま手が止まる数秒。出たものを見て、隣にいる人に見せる動作。「それ持ってる」「交換しない?」という会話。この部分も含めて企画することになります。
だから、何種類作るか、どれをレアにするか、同じものが続いたときにどう感じるかといったことを考えます。例えば、選手の一覧から数人だけを選ぶのか、全員分を揃えるのか。その判断ひとつで、同じ商品でも体験が変わります。
物を作る仕事でありながら、人の数秒間を設計する仕事でもある。ここは、やってみるとかなり面白い部分です。

思いついたアイデアを、売場まで運ぶ
思いついたアイデアを、実際の商品にして会場まで届ける。そこまで関われることが、この仕事の面白さです。
もちろん、まっすぐ進むことばかりではありません。クラブの確認を取り、工場の工程を押さえ、サンプルの修正を回し、納品に間に合わせる。途中で仕様が変わることもあれば、想定していた素材が使えないと分かることもあります。そのたびに、何を優先して何を諦めるかを決めていきます。
そうやって進めた先に、自分が最初に紙の上で考えたものが、会場で誰かの手に渡る瞬間があります。この距離の短さは、この仕事のいいところだと思っています。

自分の「好き」と、求められるものは一致しないことがある
企画を出すときには、必ず「こうすれば喜んでもらえるのではないか」という見立てを置きます。そして実際に売ってみると、その通りになることもあれば、ならないこともあります。
自分がいちばんいいと思ったものが、いちばん動かないこともあります。逆に、あまり期待していなかったものが手に取られることもあります。そこで初めて、自分の感覚とお客さんの感覚がずれていた理由を考えることになります。
スポーツが好きであることは、この仕事の入口としてはとても役に立ちます。会場の空気も、ファンがどんな気持ちで来ているかも、想像しやすいからです。そのうえで、好きであることと、売れるものを当てられることは別の話でもあります。だからこそ、ずれに気づけたときがいちばん伸びるタイミングで、次の企画はひとつ精度が上がります。
一緒に働きたいのは、理由を考えられる人
スポーツが好きなこと。それは、この仕事を続けるうえで大きな力になります。そのうえで、もうひとつ大事にしていることがあります。
ある商品が人気だったときに「かっこいいから」で終わらせず、なぜそれが選ばれたのかを考えられること。自分で調べて、仮説を持って、提案してみること。そして、思いついたことを言いっぱなしにせず、クラブや工場と話をしながら実現まで運ぶこと。
ひとりで完結する仕事ではないので、人に相談するのが苦にならない人のほうが、たぶん向いています。
Capsule Hubでは、スポーツグッズの企画者を募集しています
スポーツ業界への就職や転職を考えている方、グッズや商品企画に興味がある方、クラブの外側からスポーツに関わる働き方を知りたい方へ。まずは仕事の話を聞いてみたい、という段階でも構いません。
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